石釜の魅力


 厚い雨雲に覆われた煤だららけの天井が、朝日に追っ払われる雲ように

薪の炎に焼き尽くされて

白んで煤を焼き切れば、準備万端


あとは「石釜」が体いっぱいに蓄えた輻射熱で

おいしく食材を仕上げてくれるのを

待つだけです


時間と手間を惜しみなく使う贅沢、素朴でどんな物でも

格別の味がします。

焼き上がりのなんともいえない色、かすかな燻製の香りそれが良いのです


 木を燃焼させると当然、燃えるときに灰が表面を覆います。

灰は「セラミック」と呼ばれる物質で

近赤外線と言う遠赤外線より波長の短い特殊な放射線を出します

近赤外線は食材への吸収が早く加熱効果が大きいので電熱やガスより早く


肉身の表面が固くしまり肉身に生成される旨み成分の

グルタミン酸などを逃がしません。


それを更に石窯は受け止め窯全体で(耐火煉瓦これもセラミック)

食材に向かってすべての赤外光線を発射してくれます。


ウルトラマンが変身してビームを浴びせるようなもんです。

怪獣に当てるビームでは有りません。


直火で加熱するときは表面が250〜300℃になり内部の

肉身は80〜90℃くらい。


石釜では

表面を焦がさないようには130〜150℃が適温です。


水分の多いものは160〜170℃で水分の少ないものは100〜120℃で

ゆっくり焼くのがいいようです。


肉は揉み塩、ハーブ塩液の浸け込み、好みの方法で味を付けます

肉もホワイトリカーで軽く浸けて一般に言われている塩分より

薄めで浸け、塩抜きをしない方法です。


自分に合った目的と方法で良いと思います。

長期保存は出来ませんが真空パックで2,3週間は保存可能です。

あまり塩味のきつい物は好みでないので緩くしています。


石釜内ではハムを52℃からベーコン66℃迄で仕上げます。

内温が70℃を超えると味がパサパサになります。

鳥肉は62℃が限界でしょう。

ベーコンもゆっくり温度を上げ余分な脂を落とします。


ゆっくり加熱曲線を上げてください。



くれぐれも食材の芯まで、熱の通りには注意です。


脂身や骨に接している部位は熱が通り難いです。

肉の位置を換えたり測温の位置も数箇所で見ます。


測温を繰り返すと肉汁が出てしまうのでその辺は経験して下さい。




                 

                                       カレーを炊くため人参と玉葱を

             ローストして水分を抜きました。

                                    なべの中で旨みを吸い込んでくれます

人参がドライフルーツのようです




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